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はがきの威力を馬鹿にするな! 手紙で天下をとった男、徳川家康【関が原の戦い】

 

 みなさん、連絡はどうします?

 メールとか、ラインとか、色々なSNSが発達しているじゃないですか。

 おそらく手紙よりも便利だと思います。

 しかし、メールよりも手書きの手紙の方が気持ちが伝わる場合もあるのではないでしょうか?

 それを実際に証明するエピソードがあるのです。

 実証した人物は徳川家康。しかも、手紙の威力が発揮されたのは天下分け目の『関が原の戦い』においてです。

 

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 関が原の戦いについては説明はもはや不要でしょう。

 1600年、徳川家康と石田光成が関が原で激突した戦いです。

 この戦いで小早川秀秋の裏切りによって東軍の徳川家康が勝利したのは皆さんもすでにご存知でしょう。

 この戦いは家康の東軍は8万、それに対して光成の西軍は10万以上だったと伝えられています。

 

 兵力では家康の方が不利だったわけです。

 

 しかも、作家司馬遼太郎の紹介によって有名になった逸話があります。

 明治時代、プロイセン王国から覇権された軍事教官メッケルが関が原の戦いの布陣図を見せられました。すると即座に答えました。

『これは西軍の勝利だ』

 実際に勝利したのは東軍ですが、そのことを伝えてもなかなかメッケルは信じてくれません。戦術的にはメッケルの言うとおりでした。しかし、東軍は事前に西軍に調略していたことを話すとやっとメッケルは納得したそうです。

 

 

 その家康ですが、関が原の戦いの前の2ヶ月間に161通もの手紙を書いていたそうです。

 すさまじい数の量です。

 

 これがメールだったら、すぐに返信できるでしょう。もちろん当時はメールどころか電話さえありません。かりにあったとしても盗聴を恐れて使わないかもしれませんが。

 しかも、この手紙は大半以上が家康の直筆だったそうです。

 国のトップ、しかも死ぬか生きるかの戦争直前にこれほどマメに手紙を書くというのは驚くべきことです。

 結局、家康の筆マメが効果を発揮して戦いに勝利し、天下を得ることができました。

 

 

 かりに戦国時代にメールが存在して、しかも盗聴されず安心して使えると仮定しましょう。人生のかかった一大事の用件を、

 

(メールで伝えるかどうか……)

 

 ちょっと疑問です。僕だったらじかに会えないのなら、手紙で書いて伝えますね。

 裏切ってこちらの味方になってくれとお願いするわけですからね。

 一世一代の大博打を頼むわけですよ。

 それを指でぽちぽちと押して送信ボタンを『ぽちっ』と押したメールで、心が動かされますかねぇ……。

 

 

 メールなどのSNSの方がずっと便利なのは間違いありません。

 しかし情報化の難しい人の気持ちを伝えるには、

『はがき』

 の方がよろしいのではないのでしょうか。

 

 

 電子化された殺伐とした世の中でも、人の絆はまだまだ残っているでしょうから。

 

 

 


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